先日、Aさん(仮名、40歳)が外来に来られました。
半年くらいまえから顎の先がしびれるそうです。
問診を行うと、しびれとは、触覚低下と異常知覚のこと。
Aさん:ほかの病院で頭部MRIを撮ったのですが、異常なしといわれました。
しびれの範囲はピンクで示した範囲です。
![]() |
Aさんは看護師さんではありません。あくまでイメージ図です。 |
視診上は特に異常ありません。
いわゆる、Numb Chin Syndromeですね。この方は適切な全身検索ののち、歯科的な異常が見つかりそちらで診ていただくことになりました。
このNumb(にぶい) Chin(顎) Syndrome(症候群)。
わたしは内科認定医試験の問題集を解いていて、はじめてその存在を知りました^^;。
何年かに一度、忘れたころに患者さんにお会いします。
想定すべき疾患は、
歯科疾患(骨髄炎、齲歯、腫瘍、外傷)
全身性(アミロイドーシス、糖尿病、血管炎、サルコイドーシス)
あと有名なのが癌の転移です。リンパ腫、乳癌が試験によく出ていました。
脳由来であれば、視床性手口感覚症候群 thalamic cheiro-oral syndrome も鑑別診断になります。
私の経験からは、高齢のかたは歯科疾患が多いような印象があります。
私がNumb Chin Syndromeと診断し、ガンが見つかったひとはまだおられません。
知っていれば説明と診断を適切に進められ、患者さんもより安心できるのではないでしょうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿