2013年6月29日土曜日

先生、顎がしびれます・・・


先日、Aさん(仮名、40歳)が外来に来られました。


半年くらいまえから顎の先がしびれるそうです。
問診を行うと、しびれとは、触覚低下と異常知覚のこと。


Aさん:ほかの病院で頭部MRIを撮ったのですが、異常なしといわれました。


しびれの範囲はピンクで示した範囲です。



Aさんは看護師さんではありません。あくまでイメージ図です。



視診上は特に異常ありません。

いわゆる、Numb Chin Syndromeですね。この方は適切な全身検索ののち、歯科的な異常が見つかりそちらで診ていただくことになりました。

このNumb(にぶい) Chin(顎) Syndrome(症候群)

わたしは内科認定医試験の問題集を解いていて、はじめてその存在を知りました^^;。



何年かに一度、忘れたころに患者さんにお会いします。



想定すべき疾患は、

歯科疾患(骨髄炎、齲歯、腫瘍、外傷)
全身性(アミロイドーシス、糖尿病、血管炎、サルコイドーシス)

あと有名なのが癌の転移です。リンパ腫、乳癌が試験によく出ていました。

脳由来であれば、視床性手口感覚症候群  thalamic cheiro-oral syndrome も鑑別診断になります。


私の経験からは、高齢のかたは歯科疾患が多いような印象があります。

私がNumb Chin Syndromeと診断し、ガンが見つかったひとはまだおられません。


知っていれば説明と診断を適切に進められ、患者さんもより安心できるのではないでしょうか。


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