2013年7月15日月曜日

症例報告の採択率


こんにちは。

今日は採択率についてです。

先日の記事で、Internal Medicineの採択率が日本からの場合、60%であることを書きました。ほかの雑誌はどうなっているのか、調べてみるとWeb上で公開している雑誌はほとんど見当たりませんでした。

唯一、BMJ Case Reportsが公開していました。約70%とのことです。さすがオープンアクセスですね。非常に高いです。

BMJといえば、臨床医学会では、名門御三家雑誌の一つで、大変格式高い雑誌ですが、今年公開されたBMJ Openのインパクトファクターが1.58とさみしめであったことを考えると、同じBMJブランドでも、格式vs革新性、記事の質、記事の数などさまざまであることがわかります。

したがって、ドヤ顔で、BMJ Case Reportsに掲載されました( ・´ー・`)なんていうのは、初心者のうちは避けたほうがよいでしょう(笑)




☆☆☆
私がおすすめする本を紹介します

2013年7月14日日曜日

Google Chromeの「bookmark」等のメニューの行間がひろがって、元に戻せなくなった。How to decrease the spacing in Chrome's bookmark lists.



こんにちわ。


先日Google Chromeをアップデートしました。








そこまでは良かったのですが、Google Chromeの「bookmark」等のメニューの行間がひろがって、元に戻せなくなっていました。バージョン27までの行間の直し方ではうまくいかないので、調べました。備忘録のため載せておきます。



How to decrease the spacing in Chrome's bookmark lists.


①スタートメニューにあるGoogle Chromeアイコンを右クリックする。Right click on the chrome icon on task bar, then right click on Google Chrome.

②[プロパティ]メニューをクリックする。Select 'Properties'.


























③[ショートカット]タブのリンク先:の末尾に[" --force-fieldtrials="NewMenuStyle/Compact2/"]を追加する(ポイント!--force-fieldtrials・・・の前には、半角スペースを入れます)。Choose Shortcut tab at top then at the end of target line, add a space and type " --force-fieldtrials="NewMenuStyle/Compact2/.

こんな感じになります。
\Google\Chrome\Application\chrome.exe" --force-fieldtrials="NewMenuStyle/Compact2/"






















④[OK] をクリックする。





2013年7月12日金曜日

東京出張に思うこと

こんにちは、今週末は研究会で東京に来ています。やっぱり都会っていう感じがしますね。

思えば初めて総会や研究会などで東京の大きな会場に行った時、なんとも言えない憧れみたいなものを感じたものです。東京に住んでいる先生方はいいなあ(^O^)なんてね。

と同時に、壇上で発表されている先生のようになるにはどうしたらいいのかと考え、それには研修医の頃から臨床だけでなくこつこつ論文も大事なんだろうと漠然と思っていました。

だって、偉い先生の講演はまず、演者の略歴紹介から始まるんですもん。

◯◯先生は昭和◯◯年に□□大学医学部をご卒業になり、内科学を研修後、平成◯年から米国◯◯大学にご留学になり・・・みたいな感じですよね。

あまり臨床能力は患者さんが思うより重要視されないのかもしれません。



2013年7月7日日曜日

研修医のための症例報告の書き方 その③どこに投稿するか3


こんにちは。

頑張って書いた症例報告・・・どこに投稿しようかな?
今回はいよいよ老舗雑誌となります。

おそらく私たちが生まれる前から、先輩の先生方が育ててこられた雑誌たちも含まれ、それに自分の症例が掲載されるのは医師の夢といっても過言ではないですよね。


難易度☆☆☆☆☆

専門分野のトップ雑誌ってありますよね。

たとえばGutCirculationChestNeurologyなど。

さらに、トップ雑誌ではないけど、その分野ではよく知られている二番手の雑誌もあると思います。


それらの雑誌が、Case Reportのスペースを設けている可能性はゼロです。
理由は、前にも書いたインパクトファクターの問題です。

ただし、それらの雑誌編集長も、できれば載せたいと思っているんです。きらっているわけではないんですよね。

そこで、よく使われている方法があります。


それが、レジデントのためのコーナーや、編集者への手紙のコーナーへの投稿です。


これは、英語であれば、

レジデントのためのコーナー
Postgraduate Education Cornerや、Resident and Fellow Section
註:標記は各雑誌で若干異なるかもしれません


編集者への手紙
Letter to the Editorや、Correspondence
註:標記は各雑誌で若干異なるかもしれません

として雑誌の終わりの方に載っていることが多いと思います。



わたしの経験上、ここを狙うしかないと思います。私たちレジデントのためのセクションですからね(^^)/
どんどん活用させていただきましょう。


実際わたしも、Letter to the Editorなら掲載してやる と言われ、アクセプトされた経験が複数あります。

では、なぜそこならアクセプトされるのか?


理由は簡単です。そのセクションに掲載された記事を、インパクトファクターの計算対象の記事から外して、いるものと思われます。

これは、トムソン・ロイター社との契約で、どの記事を計算対象とするかをあらかじめ設定できるんですよね。発行者側が。なので、インパクトファクター時代になやむ発行者が、わたしたちレジデントのために残してくださった・・・苦肉の策といってもいいのでしょうねσ(゚ー^*)

ありがとうございます!


2013年7月6日土曜日

研修医のための症例報告の書き方 その③どこに投稿するか2


こんにちは。

頑張って書いた症例報告・・・どこに投稿しようかな?

やっていきます。


難易度☆☆☆
ずばりInternal Medicineです。

英語論文デビューの人に、ぴったり。編集長への手紙(カバーレター)ももちろん英語ですが、PCの向こう側の先生方も日本人です。なので、ある程度の英語なら、言語が理由で即rejectにはなりません。

さらに!別の記事にも書いたとおり、日本人のための雑誌を目指す方針のようで、あたたかく査読してもらえます。
査読結果も半分は日本語で返ってくるので^^;、そうなるとさらに返答しやすくなりますしね。

しかもインパクトファクターも、例年だいたい0.9-1.0前後ですがちゃんとついています。

オープンアクセスなのでネットがあれば誰でも全文読むことができますから、気になった方は早速チェックしてみましょう。

難易度☆☆-☆☆☆
インパクトファクターがなくてもいいって人は、最近はやりのオンライン限定ジャーナルもいいでしょう。

BMJ Case Reports
Journal of Medical Case Reports
Clinical Case Reports

このあたりが有名ですかね。
メリットは、際限なく症例報告を掲載できるため、論旨がはっきりしていれば、高確率でアクセプトが望めます。
症例報告が嫌われる理由は、引用回数が少なくインパクトファクターを下げる!!そこにつきます。

インパクトファクターの心配をせず、症例報告に特化したジャーナルを出すというのは、非常に合理的な考え方です。

もちろん世界中の人に見てもらえるでしょう。
最近ワイリーがClinical Case Reportsをローンチしたみたいですが、投稿するときは、どこに収載されているのか(PubMedには収載があるのか?Google Scholarは?)くらいは確認しておきましょう。

ただ、最初はインパクトファクターがある雑誌を狙っていく姿勢は忘れないようにしましょう。インパクトファクターが付与されているというのはある意味品質保証みたいなものですから、読者の印象も変わってくるでしょうし、なによりあなたが「やっぱりもっと頑張ってみればよかったかな…」なんて思う時が来るかもしれません。


研修医のための症例報告の書き方 その③どこに投稿するか


こんばんは。


頑張って書いた症例報告・・・どこに投稿しようかな?
まるで、旅行先を決めるように夢は広がりますよね^^


難易度

和製商業雑誌(自分の専門分野、総合誌)

○○大学医学雑誌(自分の出身大学ならなお易)
○○医学誌


初心者向けです。世界の人に見られることはまずありません。非専門家による査読も日常的に行われており、査読も甘め。

せまいコミュニティでの話のタネによいです。病院の業績評価(毎年出さないといけませんからね)や、素人への対外的なアピールなどが主たる目的です。


難易度☆☆

和製学会誌(日本○○学会発行)

初心者から、脱初心者向けです。一部PubMedに収載されている雑誌もあり、ごくたまに世界の人に見られることあり。

大学病院などからの投稿によいでしょう。市中病院からなら、「お、載ってたね。がんばってるね」といわれるレベル。病院の業績評価や素人への対外的なアピールなども目的です。


以上が、日本語で書いた場合の評価となります。



医師1-4年目までの先生が対象になるでしょう。投稿先を迷ってここに来られた方も多いと思います、わたしも、最初そのランクがわからず苦労しました。

参考になれば幸いです。


2013年7月5日金曜日

研修医のための症例報告の書き方 その②EndNote編2


こんにちは。


ここでは、簡単なEndNoteの使い方を紹介していきます。

ほかにも便利な機能はたくさんありますが、基本これで全く問題ありません。


はじめてEndNoteを扱う方の参考になれば幸いです。



1
まず、PCにEndNoteをインストールします。基本英語版ですが、日本語版のワードでも問題なくインストールできます。インストールが成功すると、ワードのタブのところに、EndNoteのタブが新たに作成されるので、それをクリック(あかい矢印)します。




2

タブのGo to EndNoteボタンをクリックします。




3

そうするとEndNoteが起動し、下のようなウインドウが表示されるので、Fileメニューから、Newを選んで新規にライブラリを作成します。




ライブラリを作成したい場所を選んで、保存ボタンをクリックします。
今回はデスクトップに作成します。


4

ライブラリーのファイルと、実際の論文データを含むフォルダが作成されます。個々のライブラリーは、個別のフォルダを参照しますので、移動させるときは必ず一緒に移動させましょう。

パワーポイントと動画の関係みたいなものですね。


5

完成したライブラリを開くと下のような画面となります。
基本的に使うのはOnline SearchのPubMed(NLM)の部分だけです。クリックします。



6

クリックするとPubMedに接続され、このウィンドウから検索を行うことができます。
みどり矢印の部分をつかって、文献を絞り込みましょう。

ただインターフェースは通常のブラウザよりも使いにつくいので、ここでは予め目をつけておいた、論文(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23746902)を検索します。

Title(論文の題名)、Year(発行年)、Journal(雑誌名)等で絞り込んでいきましょう。

そして、Searchボタンをクリック!(あかい矢印)。



6

Chan先生の論文がヒットしました(あかい矢印)。

論文を選んで、文献を張り付けるためワード文書の挿入したい場所を選びます(みどりの矢印)。

Insert Citationボタンを押し、サブメニューのInsert Selected Citationボタンを押します(きいろの矢印)。


7

そうすると、ワードに文献データが表示されました(あかい矢印)。

これはJAMA**の論文スタイルであることが表示されています(みどりの矢印)。註:これは初期設定により異なります。







**
ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(英語:The Journal of the American Medical Association、略称:JAMA、「米国医師会雑誌」とも呼ばれる)は、米国医師会によって年に48回刊行される、国際的な査読制の医学雑誌である。 Wikipediaより引用





以上で、終わりです。


とっても簡単です。


実際は、「○○症候群は--を特徴とした、まれな症候群である。」と書いて、

「○○症候群は--を特徴とした、まれな症候群である(↓ここにカーソルを合わせ、文献を挿入(insert))。」
って感じになります。

文献番号はソフトが自動的に振ってくれるのでOkです。


○○症候群は--を特徴とした、まれな症候群である[1] みたいな


ちなみに上記のStyle(論文スタイル)を変えることで、


JAMAの論文スタイル

Chan KY, Wang W, Wu JJ, et al. Epidemiology of Alzheimer's disease and other forms of dementia in China, 1990-2010: a systematic review and analysis. Lancet. Jun 8 2013;381(9882):2016-2023.

NEJMの論文スタイル

Chan KY, Wang W, Wu JJ, et al. Epidemiology of Alzheimer's disease and other forms of dementia in China, 1990-2010: a systematic review and analysis. Lancet 2013;381:2016-23.


など自由自在に変えることができます。

たとえば、投稿先がなんらかの事情で変更になっても、すぐに対応可能ですね。
全部手で打っていたら、ミスも出ますし、大変なことになります^^;



私はこのスタイルでずっとやっていますが、これで困ったことはありません。


もっとこうしたらいいよ!みたいなアドバイスがあれば、みなさまも教えてください。


研修医のための症例報告の書き方 その②EndNote編1


こんにちは。

今日はUSACO社製のEndNote X4の簡単な使い方を紹介したいと思います。

メリットは前回書いた通りです。



とはいえ、その前に文献を集め、これまでにわかっていること、わからないこと、今回先生が発表しようする症例がそれに対してどのような位置づけになるかを把握しないといけません。

というわけで、まず文献を検索しましょう。


サイトは2つです。いずれも超有名サイトですよね。


http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed

http://scholar.google.co.jp/


わたしのイメージですが、両者の違いは、


  1. さがしたい検索用語に忠実に、論文を引っ張ってくる。
  2. PubMed Central(PMCと表示される)へのリンク表示がある。
PMCとは、無料でPDF化した論文を読めるデータベースのことで、多くの出版社から発行されている有名雑誌を読むことができます。


  1. 検索用語に対する重要な関連文献も含め、結果を引っ張ってきてくれる。そのため関連分野をふくめた重要論文を押さえるのに、とても有効!
  2. 被引用回数が表示される。引用回数が多い→みんながみているということは、重要なことにほかなりませんよね。

2013年7月4日木曜日

【ネットのうわさ】海外特別研究員とは?


海外特別研究員に応募しました。



でも
海外特別研究員なんて半年前には全く知りませんでした。

理系で研究バリバリな方には常識なのかもしれませんが、わたしと同じような臨床医の方もいらっしゃると思います。

まずはイメージをつかめってことで、ネットの情報から、そのイメージをつかんでみましょう。


応募資格について

海外で研究活動を行うにあたり、相応の語学能力(英語であれば、TOEFL(Computer-based)213点、TOEIC730点、英検準1級のいずれか程度)を有することが望ましい。

英語力があったほうがいいみたいですね。


メリットは?

海外学振で留学するとやばいプロジェクトをボスから命令されても拒否したり、自分の好きな研究ができる?



難易度は?

海外学振はコネの世界。普通よほど強いコネがない限り通らない。

たぶん海外学振が学振の中でも最難関。

海外学振ゲットした人はエース級の扱い。

すげー・・・みたいな。
「私、できる人です」みたいなレッテルを日本学術振興会から貼ってもらえるようなもの?

海外学振の選考結果が発表された。この結果に人生を左右されるポスドク諸氏もいることだろう。

海外特別研究員(日本学術振興会)の選考を通過した。これはとてもすごいことなんだそうです。


なんてコメントがありました。


いずれにせよ、難関なことはまちがいないですね(>_<)

2013年7月1日月曜日

研修医のための症例報告の書き方 その①準備編


こんにちは。

症例報告の書き方について、わたしのやり方を書いていきたいと思います。


まずそろえるべきものですが、

Microsoft Word

Microsoft PowerPoint → 論文中の図表(Figure)作成用

まあ、これはみなさんもっていらっしゃると思います^^;



Microsoft Office Picture Manager

これがあると意外と便利です。たとえば患者さんの病変の写真や、画像データなど、個人情報を除いて切り取ったり、より効果的に病変を見せるため、トリミング(切り抜き)機能が重宝します。

これは、Microsoft Office 2010には入っていますが、最新版のMicrosoft Office 2013には入っていないようです


わたしももちろん持っています。

機能的にはMicrosoft Office 2010で十分ですから、新たに購入されるのであれば、安定しているMicrosoft Office 2010をお勧めいたします。


あとは、やはりEndNoteです。

これは本当に便利なツールで、使っていないと大幅な時間浪費が生じる可能性があるといっていいくらいです。


症例報告の最後に、過去の知見と症例から得られた知見から、考察を行い、ひとつの結論を導く必要があります。

考察の部分には、「過去にこういう知見があるんですよ」と読者に知らせながら、それぞれの箇所に引用文献を挿入しながら、稿を進めていく必要があります。
EndNoteは引用文献を原稿に挿入し、投稿規定にあわせて引用文献目録を簡単に、自動的に作成できるツールなのです。

だいたいの原稿は、文章を推敲しながら進めるため、ある部分を削除したり、挿入したりするうちに、文献に割り振られた番号がずれたり、同じ文献に違う番号を振っていたり、ということが起こります。

EndNoteは、そういったイライラから私たちを解放してくれる、大変考えられた便利なソフトなのです。


詳細はまたお話しします。



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