2013年6月30日日曜日

日本内科学会発刊の Internal Medicine

こんにちは。

自宅に届いた内科学会雑誌を眺めていると、議事録に内科学会が発行するInternal Medicineという学術雑誌に関する統計が掲載されていました。

インパクトファクターは例年0.9前後で推移しており、今年も確か0.9台であったと思います。

気になる採択率ですが、日本から約60%です。これは学術雑誌としては非常に高い数字(非常に高い)で、まじめに書いたら、ほぼまず間違いなく掲載されるレベルということになります。


投稿はCase report(症例報告)が、Original Article(原著論文)の4倍以上あるそうで、オープンアクセスかつ、高掲載率を反映し、Case report journalになっている現状が見て取れます。
最近は症例報告を積極的に採択してくれる有名雑誌は皆無で、Case reportに特化した雑誌もあるくらいですから、低インパクトファクターでも、総合誌でありかつ症例報告にも広く門戸を開きがんばり続けるInternal Medicineは素晴らしい雑誌だと思います。

さらに、議事録をみてみるとうれしいことが!!

日本以外の上位投稿国:中国、モロッコ、トルコなどが採択率10−20%前後に抑えられている状況からは、日本人の臨床家、とくに後期研修医の先生など、これから英語論文を書いてみようかなと思っている方は、積極的にInternal Medicineに投稿してみるとよいでしょう。

ただいつまでたってもInternal Medicineでもイケませんし、いつまでたっても症例報告ばかりでもイケません。


あなたが、そしてダメぽ医者の私が、いつか一流雑誌に、原著論文を採択されるようになってこそ、Internal Medicineの編集者の先生がたも喜ばれるのだと思っています。



2013年6月29日土曜日

先生、顎がしびれます・・・


先日、Aさん(仮名、40歳)が外来に来られました。


半年くらいまえから顎の先がしびれるそうです。
問診を行うと、しびれとは、触覚低下と異常知覚のこと。


Aさん:ほかの病院で頭部MRIを撮ったのですが、異常なしといわれました。


しびれの範囲はピンクで示した範囲です。



Aさんは看護師さんではありません。あくまでイメージ図です。



視診上は特に異常ありません。

いわゆる、Numb Chin Syndromeですね。この方は適切な全身検索ののち、歯科的な異常が見つかりそちらで診ていただくことになりました。

このNumb(にぶい) Chin(顎) Syndrome(症候群)

わたしは内科認定医試験の問題集を解いていて、はじめてその存在を知りました^^;。



何年かに一度、忘れたころに患者さんにお会いします。



想定すべき疾患は、

歯科疾患(骨髄炎、齲歯、腫瘍、外傷)
全身性(アミロイドーシス、糖尿病、血管炎、サルコイドーシス)

あと有名なのが癌の転移です。リンパ腫、乳癌が試験によく出ていました。

脳由来であれば、視床性手口感覚症候群  thalamic cheiro-oral syndrome も鑑別診断になります。


私の経験からは、高齢のかたは歯科疾患が多いような印象があります。

私がNumb Chin Syndromeと診断し、ガンが見つかったひとはまだおられません。


知っていれば説明と診断を適切に進められ、患者さんもより安心できるのではないでしょうか。


切れ味するどい、でも指は切れないペーパーナイフ初体験


こんにちは。


カルテまで電子化された昨今でも、紹介状のやり取りや、振り込み・領収の用紙など、まだまだ封書をあけることも日常的にあるものです。


なかには、指で開けようにも意外ときつく糊付けしてあったり、中の書類を傷つけそうになったりしたこともありましたが、まあそんなもんかと思っていました。

さて
先日、上司の先生がペーパーナイフを使用されていたのを見て、うらやましくなり購入しました。


シンプルでとても、良いです。さくっと小気味良い音と共にきれいに封をあけることができます。


切れる感覚がたのしくて、要らない紙まで切り刻んでしまいました。

使ってみないとわからない、心地よさと便利さってとこでしょうか。
もちろん指は切れませんし、安全です。

さりげなくデスクに置いてあると、「できる」って思われるかもしれません。

2013年6月28日金曜日

毎年恒例のインパクトファクターまつり

こんばんわ。


先日、最新版のインパクトファクターが発表されました。


学生の頃に、その仕組みをきいて、うまいことを考えるものだと感心しました。

いわゆる、学術雑誌の【視聴率】みたいなもので、毎年ランキングが発表されると、あちこちから一喜一憂する声が聞こえてきます。


世の中のトレンドに左右される面もあるようです。


研究成果やあたらしい発見に、当の本人は「これは大発見だ」と逆上(のぼ)せてしまい、視聴率の高い学術雑誌を選んで投稿するのですが、なかなかうまくいくことは少ないようです。
(みんなに見てもらいたいのは、だれでもそうですしね)


実際は、
インパクトファクターの高い雑誌から投稿していくうちに、掲載拒否(Reject)を繰り返され、結局、和製英文雑誌(日本人が英語で作った雑誌)に、日本人の誼(よしみ)で掲載されることも少なくありません。


ただ、和製英文雑誌も、登竜門として重要な役割をになっています。たとえ最初は、誼で受理されても、その経験を生かし、世界に発信する価値あるものを生み出していける力を付けていきたいものです。



私がはじめて論文を書こうと思い立ったとき、いろいろな本を買いあさりました。

その中で、まるで自分が論文を執筆するような、臨場感ある記載にひきこまれ、一気に読んでしまったのが、この本です。


医師のための英語論文執筆のすすめ―11の教訓・8つの極意

論文の構成一般について、羅列的に記載した本は他にもありましたが、著者の体験をベースに、たとえば

忙しい臨床業務の中でいかに論文を書く時間を作るかなどの一日の過ごし方や、編集者とのやり取り内容(攻防ともいえる?)の実際を披露するなど、他書にはない筆者の熱意や思いが感じられる本だと思いました。

書斎をどのように構築するのがよいかなど、ある意味かゆいところに手がとどく内容です。


臨床医の克服すべき課題といえる、「患者さんへの高度なケアの提供」と「自身の学術活動時間の確保」の両立になやんだとき、この本をよく読ませていただいています。

祝・開設

はじめまして。

地方病院に勤務する一内科医の日々臨床学術(すこし)を記録して行こうと思います。


臨床医となって10年

日々の臨床もおもしろいけど、せっかく医師になったのだから、あたらしい診断や治療の開発にもかかわっていけたらいいなと思っています。


よろしくお願いします。