2013年11月30日土曜日

アブストラクトについて思うこと

学会シーズンですね。

なかでも私は地方におりますので、いわゆる地方会にもよく参加させていただいております。現在、ほとんどの学会の抄録はStructured Abstractにのっとって記載するようになっています。

【目的】,【方法】,【結果】,【結論】

症例報告では、【症例】,【経過】,【考察】,【結論】かな? ちがっていたらすいません。

これはおそらく欧米が先駆けて取り入れた方法で、メッセージを端的にわかりやすくするよい方法だと感じています。

ただずっと気になっていることがありました。
【結論】○○の一例を経験した。今後の症例の蓄積が必要である。

この一文はよく見る〔逃げ〕の方法ですが、結局なにがいいたいのか、この症例を報告する意義が明確化できていないような印象で。。。なんだかむずがゆくなります。

そこで、
Background、Results、Conclusionに加え、Significanceを念頭に抄録を書いてみたらどうかと思います。
この症例はこの点で重要である、だから報告するんだということでしょうか。

これは欧米のジャーナルがすでに取り入れている方法で、〔So what?(んで?)〕の印象を読者に与えるリスクを下げることができるのではと個人的には思います。

2013年9月22日日曜日

本の紹介《流れがわかる学会発表・論文作成How To 改訂版 ―症例報告、何をどうやって準備する?》


みなさん、こんにちは。


初めてポスター発表することになったけど、周囲になかなか聞ける人もいないし・・・どうしたら・・・ってことはよくありますよね。

まわりの先輩方に聞いてみても、我流や見様見真似でやったりして、それを真似してなおさらうまくいかなくなってしまうことも。


学会発表のほぼすべての形式を網羅しているのが本書になります。わたしは、前版をもっているのですが、もっている人もぜひ購入すべきと思います。

それだけの価値があります。よい研究指南書でも、アプリケーションのPowerPointやEndNoteなどのアプリケーションを新しいバージョンへと変更した際に対応ができていなかったりするのですが、その心配もありません。

スライド発表からポスター作成のイロハ、endnoteの使い方、論文の情報収集、まとめかたがこの一冊でわかります。

これだけの内容で3000円以下は、はっきり言って安いです。


流れがわかる学会発表・論文作成How To 改訂版 ―症例報告、何をどうやって準備する?
佐藤 雅昭
メディカルレビュー社
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2013年8月13日火曜日

TOAST分類



こんにちは。

脳梗塞患者さんが、搬送されたときに治療方針決定に役立つのがTOAST分類です。


脳卒中レジデントマニュアルなどにその記載がありますが、いちばん使いやすいのは、個人的にはDecision tree型のタイプだと思います。

医療の現場においては、
Decision tree:
元の複雑なデータの表現をずっと簡単な構造に変換にするのに役に立つ(Wikipediaより引用)
の導入がエラー軽減に有効です。



Lee L J et al. Stroke 2000;31:1081-1089



TOAST Classification of High- and Medium-Risk
Sources of Cardioembolism

High-risk sourcesとしては
Mechanical prosthetic valve
Mitral stenosis with atrial fibrillation
Atrial fibrillation (other than lone atrial fibrillation)
Left atrial/atrial appendage thrombus
Sick sinus syndrome
Recent myocardial infarction (<4 weeks)
Left ventricular thrombus
Dilated cardiomyopathy
Akinetic left ventricular segment
Atrial myxoma
Infective endocarditis

Medium-risk sourcesとしては
Mitral valve prolapse
Mitral annulus calcification
Mitral stenosis without atrial fibrillation
Left atrial turbulence (smoke)
Atrial septal aneurysm
Patent foramen ovale
Atrial flutter
Lone atrial fibrillation
Bioprosthetic cardiac valve
Nonbacterial thrombotic endocarditis
Congestive heart failure
Hypokinetic left ventricular segment
Myocardial infarction (>4 weeks, <6 months)

と定義されます。

2013年8月10日土曜日

海外特別研究員の結果


こんにちは、暑い日が続いていますね。

さて きのう、海外学振の書類選考結果が発表されました。日本学術振興会の海外特別研究員が正式名称でしたっけ(・・;)

採択率25%前後のようです。


さて、昼すぎに結果を開示しましたよ っていうメールがきて、外来が終わってドキドキでデスクに向かいました。通知を見る前「不採用でも仕方ないんだからね」と自分に言い聞かせながら、結果表示をクリックしました。



結果は・・・・・採用でした。・゚・(ノД`)・゚・。 面接も免除でした。



まわりに申請したことのある先生もいらっしゃらなかったので、一人医局にこもっての申請書作成は本当にタフでしたがよかったです。応援してくださった方々、どうもありがとうございました(^^)

2013年7月15日月曜日

症例報告の採択率


こんにちは。

今日は採択率についてです。

先日の記事で、Internal Medicineの採択率が日本からの場合、60%であることを書きました。ほかの雑誌はどうなっているのか、調べてみるとWeb上で公開している雑誌はほとんど見当たりませんでした。

唯一、BMJ Case Reportsが公開していました。約70%とのことです。さすがオープンアクセスですね。非常に高いです。

BMJといえば、臨床医学会では、名門御三家雑誌の一つで、大変格式高い雑誌ですが、今年公開されたBMJ Openのインパクトファクターが1.58とさみしめであったことを考えると、同じBMJブランドでも、格式vs革新性、記事の質、記事の数などさまざまであることがわかります。

したがって、ドヤ顔で、BMJ Case Reportsに掲載されました( ・´ー・`)なんていうのは、初心者のうちは避けたほうがよいでしょう(笑)




☆☆☆
私がおすすめする本を紹介します

2013年7月14日日曜日

Google Chromeの「bookmark」等のメニューの行間がひろがって、元に戻せなくなった。How to decrease the spacing in Chrome's bookmark lists.



こんにちわ。


先日Google Chromeをアップデートしました。








そこまでは良かったのですが、Google Chromeの「bookmark」等のメニューの行間がひろがって、元に戻せなくなっていました。バージョン27までの行間の直し方ではうまくいかないので、調べました。備忘録のため載せておきます。



How to decrease the spacing in Chrome's bookmark lists.


①スタートメニューにあるGoogle Chromeアイコンを右クリックする。Right click on the chrome icon on task bar, then right click on Google Chrome.

②[プロパティ]メニューをクリックする。Select 'Properties'.


























③[ショートカット]タブのリンク先:の末尾に[" --force-fieldtrials="NewMenuStyle/Compact2/"]を追加する(ポイント!--force-fieldtrials・・・の前には、半角スペースを入れます)。Choose Shortcut tab at top then at the end of target line, add a space and type " --force-fieldtrials="NewMenuStyle/Compact2/.

こんな感じになります。
\Google\Chrome\Application\chrome.exe" --force-fieldtrials="NewMenuStyle/Compact2/"






















④[OK] をクリックする。





2013年7月12日金曜日

東京出張に思うこと

こんにちは、今週末は研究会で東京に来ています。やっぱり都会っていう感じがしますね。

思えば初めて総会や研究会などで東京の大きな会場に行った時、なんとも言えない憧れみたいなものを感じたものです。東京に住んでいる先生方はいいなあ(^O^)なんてね。

と同時に、壇上で発表されている先生のようになるにはどうしたらいいのかと考え、それには研修医の頃から臨床だけでなくこつこつ論文も大事なんだろうと漠然と思っていました。

だって、偉い先生の講演はまず、演者の略歴紹介から始まるんですもん。

◯◯先生は昭和◯◯年に□□大学医学部をご卒業になり、内科学を研修後、平成◯年から米国◯◯大学にご留学になり・・・みたいな感じですよね。

あまり臨床能力は患者さんが思うより重要視されないのかもしれません。



2013年7月7日日曜日

研修医のための症例報告の書き方 その③どこに投稿するか3


こんにちは。

頑張って書いた症例報告・・・どこに投稿しようかな?
今回はいよいよ老舗雑誌となります。

おそらく私たちが生まれる前から、先輩の先生方が育ててこられた雑誌たちも含まれ、それに自分の症例が掲載されるのは医師の夢といっても過言ではないですよね。


難易度☆☆☆☆☆

専門分野のトップ雑誌ってありますよね。

たとえばGutCirculationChestNeurologyなど。

さらに、トップ雑誌ではないけど、その分野ではよく知られている二番手の雑誌もあると思います。


それらの雑誌が、Case Reportのスペースを設けている可能性はゼロです。
理由は、前にも書いたインパクトファクターの問題です。

ただし、それらの雑誌編集長も、できれば載せたいと思っているんです。きらっているわけではないんですよね。

そこで、よく使われている方法があります。


それが、レジデントのためのコーナーや、編集者への手紙のコーナーへの投稿です。


これは、英語であれば、

レジデントのためのコーナー
Postgraduate Education Cornerや、Resident and Fellow Section
註:標記は各雑誌で若干異なるかもしれません


編集者への手紙
Letter to the Editorや、Correspondence
註:標記は各雑誌で若干異なるかもしれません

として雑誌の終わりの方に載っていることが多いと思います。



わたしの経験上、ここを狙うしかないと思います。私たちレジデントのためのセクションですからね(^^)/
どんどん活用させていただきましょう。


実際わたしも、Letter to the Editorなら掲載してやる と言われ、アクセプトされた経験が複数あります。

では、なぜそこならアクセプトされるのか?


理由は簡単です。そのセクションに掲載された記事を、インパクトファクターの計算対象の記事から外して、いるものと思われます。

これは、トムソン・ロイター社との契約で、どの記事を計算対象とするかをあらかじめ設定できるんですよね。発行者側が。なので、インパクトファクター時代になやむ発行者が、わたしたちレジデントのために残してくださった・・・苦肉の策といってもいいのでしょうねσ(゚ー^*)

ありがとうございます!


2013年7月6日土曜日

研修医のための症例報告の書き方 その③どこに投稿するか2


こんにちは。

頑張って書いた症例報告・・・どこに投稿しようかな?

やっていきます。


難易度☆☆☆
ずばりInternal Medicineです。

英語論文デビューの人に、ぴったり。編集長への手紙(カバーレター)ももちろん英語ですが、PCの向こう側の先生方も日本人です。なので、ある程度の英語なら、言語が理由で即rejectにはなりません。

さらに!別の記事にも書いたとおり、日本人のための雑誌を目指す方針のようで、あたたかく査読してもらえます。
査読結果も半分は日本語で返ってくるので^^;、そうなるとさらに返答しやすくなりますしね。

しかもインパクトファクターも、例年だいたい0.9-1.0前後ですがちゃんとついています。

オープンアクセスなのでネットがあれば誰でも全文読むことができますから、気になった方は早速チェックしてみましょう。

難易度☆☆-☆☆☆
インパクトファクターがなくてもいいって人は、最近はやりのオンライン限定ジャーナルもいいでしょう。

BMJ Case Reports
Journal of Medical Case Reports
Clinical Case Reports

このあたりが有名ですかね。
メリットは、際限なく症例報告を掲載できるため、論旨がはっきりしていれば、高確率でアクセプトが望めます。
症例報告が嫌われる理由は、引用回数が少なくインパクトファクターを下げる!!そこにつきます。

インパクトファクターの心配をせず、症例報告に特化したジャーナルを出すというのは、非常に合理的な考え方です。

もちろん世界中の人に見てもらえるでしょう。
最近ワイリーがClinical Case Reportsをローンチしたみたいですが、投稿するときは、どこに収載されているのか(PubMedには収載があるのか?Google Scholarは?)くらいは確認しておきましょう。

ただ、最初はインパクトファクターがある雑誌を狙っていく姿勢は忘れないようにしましょう。インパクトファクターが付与されているというのはある意味品質保証みたいなものですから、読者の印象も変わってくるでしょうし、なによりあなたが「やっぱりもっと頑張ってみればよかったかな…」なんて思う時が来るかもしれません。


研修医のための症例報告の書き方 その③どこに投稿するか


こんばんは。


頑張って書いた症例報告・・・どこに投稿しようかな?
まるで、旅行先を決めるように夢は広がりますよね^^


難易度

和製商業雑誌(自分の専門分野、総合誌)

○○大学医学雑誌(自分の出身大学ならなお易)
○○医学誌


初心者向けです。世界の人に見られることはまずありません。非専門家による査読も日常的に行われており、査読も甘め。

せまいコミュニティでの話のタネによいです。病院の業績評価(毎年出さないといけませんからね)や、素人への対外的なアピールなどが主たる目的です。


難易度☆☆

和製学会誌(日本○○学会発行)

初心者から、脱初心者向けです。一部PubMedに収載されている雑誌もあり、ごくたまに世界の人に見られることあり。

大学病院などからの投稿によいでしょう。市中病院からなら、「お、載ってたね。がんばってるね」といわれるレベル。病院の業績評価や素人への対外的なアピールなども目的です。


以上が、日本語で書いた場合の評価となります。



医師1-4年目までの先生が対象になるでしょう。投稿先を迷ってここに来られた方も多いと思います、わたしも、最初そのランクがわからず苦労しました。

参考になれば幸いです。


2013年7月5日金曜日

研修医のための症例報告の書き方 その②EndNote編2


こんにちは。


ここでは、簡単なEndNoteの使い方を紹介していきます。

ほかにも便利な機能はたくさんありますが、基本これで全く問題ありません。


はじめてEndNoteを扱う方の参考になれば幸いです。



1
まず、PCにEndNoteをインストールします。基本英語版ですが、日本語版のワードでも問題なくインストールできます。インストールが成功すると、ワードのタブのところに、EndNoteのタブが新たに作成されるので、それをクリック(あかい矢印)します。




2

タブのGo to EndNoteボタンをクリックします。




3

そうするとEndNoteが起動し、下のようなウインドウが表示されるので、Fileメニューから、Newを選んで新規にライブラリを作成します。




ライブラリを作成したい場所を選んで、保存ボタンをクリックします。
今回はデスクトップに作成します。


4

ライブラリーのファイルと、実際の論文データを含むフォルダが作成されます。個々のライブラリーは、個別のフォルダを参照しますので、移動させるときは必ず一緒に移動させましょう。

パワーポイントと動画の関係みたいなものですね。


5

完成したライブラリを開くと下のような画面となります。
基本的に使うのはOnline SearchのPubMed(NLM)の部分だけです。クリックします。



6

クリックするとPubMedに接続され、このウィンドウから検索を行うことができます。
みどり矢印の部分をつかって、文献を絞り込みましょう。

ただインターフェースは通常のブラウザよりも使いにつくいので、ここでは予め目をつけておいた、論文(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23746902)を検索します。

Title(論文の題名)、Year(発行年)、Journal(雑誌名)等で絞り込んでいきましょう。

そして、Searchボタンをクリック!(あかい矢印)。



6

Chan先生の論文がヒットしました(あかい矢印)。

論文を選んで、文献を張り付けるためワード文書の挿入したい場所を選びます(みどりの矢印)。

Insert Citationボタンを押し、サブメニューのInsert Selected Citationボタンを押します(きいろの矢印)。


7

そうすると、ワードに文献データが表示されました(あかい矢印)。

これはJAMA**の論文スタイルであることが表示されています(みどりの矢印)。註:これは初期設定により異なります。







**
ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(英語:The Journal of the American Medical Association、略称:JAMA、「米国医師会雑誌」とも呼ばれる)は、米国医師会によって年に48回刊行される、国際的な査読制の医学雑誌である。 Wikipediaより引用





以上で、終わりです。


とっても簡単です。


実際は、「○○症候群は--を特徴とした、まれな症候群である。」と書いて、

「○○症候群は--を特徴とした、まれな症候群である(↓ここにカーソルを合わせ、文献を挿入(insert))。」
って感じになります。

文献番号はソフトが自動的に振ってくれるのでOkです。


○○症候群は--を特徴とした、まれな症候群である[1] みたいな


ちなみに上記のStyle(論文スタイル)を変えることで、


JAMAの論文スタイル

Chan KY, Wang W, Wu JJ, et al. Epidemiology of Alzheimer's disease and other forms of dementia in China, 1990-2010: a systematic review and analysis. Lancet. Jun 8 2013;381(9882):2016-2023.

NEJMの論文スタイル

Chan KY, Wang W, Wu JJ, et al. Epidemiology of Alzheimer's disease and other forms of dementia in China, 1990-2010: a systematic review and analysis. Lancet 2013;381:2016-23.


など自由自在に変えることができます。

たとえば、投稿先がなんらかの事情で変更になっても、すぐに対応可能ですね。
全部手で打っていたら、ミスも出ますし、大変なことになります^^;



私はこのスタイルでずっとやっていますが、これで困ったことはありません。


もっとこうしたらいいよ!みたいなアドバイスがあれば、みなさまも教えてください。


研修医のための症例報告の書き方 その②EndNote編1


こんにちは。

今日はUSACO社製のEndNote X4の簡単な使い方を紹介したいと思います。

メリットは前回書いた通りです。



とはいえ、その前に文献を集め、これまでにわかっていること、わからないこと、今回先生が発表しようする症例がそれに対してどのような位置づけになるかを把握しないといけません。

というわけで、まず文献を検索しましょう。


サイトは2つです。いずれも超有名サイトですよね。


http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed

http://scholar.google.co.jp/


わたしのイメージですが、両者の違いは、


  1. さがしたい検索用語に忠実に、論文を引っ張ってくる。
  2. PubMed Central(PMCと表示される)へのリンク表示がある。
PMCとは、無料でPDF化した論文を読めるデータベースのことで、多くの出版社から発行されている有名雑誌を読むことができます。


  1. 検索用語に対する重要な関連文献も含め、結果を引っ張ってきてくれる。そのため関連分野をふくめた重要論文を押さえるのに、とても有効!
  2. 被引用回数が表示される。引用回数が多い→みんながみているということは、重要なことにほかなりませんよね。

2013年7月4日木曜日

【ネットのうわさ】海外特別研究員とは?


海外特別研究員に応募しました。



でも
海外特別研究員なんて半年前には全く知りませんでした。

理系で研究バリバリな方には常識なのかもしれませんが、わたしと同じような臨床医の方もいらっしゃると思います。

まずはイメージをつかめってことで、ネットの情報から、そのイメージをつかんでみましょう。


応募資格について

海外で研究活動を行うにあたり、相応の語学能力(英語であれば、TOEFL(Computer-based)213点、TOEIC730点、英検準1級のいずれか程度)を有することが望ましい。

英語力があったほうがいいみたいですね。


メリットは?

海外学振で留学するとやばいプロジェクトをボスから命令されても拒否したり、自分の好きな研究ができる?



難易度は?

海外学振はコネの世界。普通よほど強いコネがない限り通らない。

たぶん海外学振が学振の中でも最難関。

海外学振ゲットした人はエース級の扱い。

すげー・・・みたいな。
「私、できる人です」みたいなレッテルを日本学術振興会から貼ってもらえるようなもの?

海外学振の選考結果が発表された。この結果に人生を左右されるポスドク諸氏もいることだろう。

海外特別研究員(日本学術振興会)の選考を通過した。これはとてもすごいことなんだそうです。


なんてコメントがありました。


いずれにせよ、難関なことはまちがいないですね(>_<)

2013年7月1日月曜日

研修医のための症例報告の書き方 その①準備編


こんにちは。

症例報告の書き方について、わたしのやり方を書いていきたいと思います。


まずそろえるべきものですが、

Microsoft Word

Microsoft PowerPoint → 論文中の図表(Figure)作成用

まあ、これはみなさんもっていらっしゃると思います^^;



Microsoft Office Picture Manager

これがあると意外と便利です。たとえば患者さんの病変の写真や、画像データなど、個人情報を除いて切り取ったり、より効果的に病変を見せるため、トリミング(切り抜き)機能が重宝します。

これは、Microsoft Office 2010には入っていますが、最新版のMicrosoft Office 2013には入っていないようです


わたしももちろん持っています。

機能的にはMicrosoft Office 2010で十分ですから、新たに購入されるのであれば、安定しているMicrosoft Office 2010をお勧めいたします。


あとは、やはりEndNoteです。

これは本当に便利なツールで、使っていないと大幅な時間浪費が生じる可能性があるといっていいくらいです。


症例報告の最後に、過去の知見と症例から得られた知見から、考察を行い、ひとつの結論を導く必要があります。

考察の部分には、「過去にこういう知見があるんですよ」と読者に知らせながら、それぞれの箇所に引用文献を挿入しながら、稿を進めていく必要があります。
EndNoteは引用文献を原稿に挿入し、投稿規定にあわせて引用文献目録を簡単に、自動的に作成できるツールなのです。

だいたいの原稿は、文章を推敲しながら進めるため、ある部分を削除したり、挿入したりするうちに、文献に割り振られた番号がずれたり、同じ文献に違う番号を振っていたり、ということが起こります。

EndNoteは、そういったイライラから私たちを解放してくれる、大変考えられた便利なソフトなのです。


詳細はまたお話しします。



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2013年6月30日日曜日

日本内科学会発刊の Internal Medicine

こんにちは。

自宅に届いた内科学会雑誌を眺めていると、議事録に内科学会が発行するInternal Medicineという学術雑誌に関する統計が掲載されていました。

インパクトファクターは例年0.9前後で推移しており、今年も確か0.9台であったと思います。

気になる採択率ですが、日本から約60%です。これは学術雑誌としては非常に高い数字(非常に高い)で、まじめに書いたら、ほぼまず間違いなく掲載されるレベルということになります。


投稿はCase report(症例報告)が、Original Article(原著論文)の4倍以上あるそうで、オープンアクセスかつ、高掲載率を反映し、Case report journalになっている現状が見て取れます。
最近は症例報告を積極的に採択してくれる有名雑誌は皆無で、Case reportに特化した雑誌もあるくらいですから、低インパクトファクターでも、総合誌でありかつ症例報告にも広く門戸を開きがんばり続けるInternal Medicineは素晴らしい雑誌だと思います。

さらに、議事録をみてみるとうれしいことが!!

日本以外の上位投稿国:中国、モロッコ、トルコなどが採択率10−20%前後に抑えられている状況からは、日本人の臨床家、とくに後期研修医の先生など、これから英語論文を書いてみようかなと思っている方は、積極的にInternal Medicineに投稿してみるとよいでしょう。

ただいつまでたってもInternal Medicineでもイケませんし、いつまでたっても症例報告ばかりでもイケません。


あなたが、そしてダメぽ医者の私が、いつか一流雑誌に、原著論文を採択されるようになってこそ、Internal Medicineの編集者の先生がたも喜ばれるのだと思っています。



2013年6月29日土曜日

先生、顎がしびれます・・・


先日、Aさん(仮名、40歳)が外来に来られました。


半年くらいまえから顎の先がしびれるそうです。
問診を行うと、しびれとは、触覚低下と異常知覚のこと。


Aさん:ほかの病院で頭部MRIを撮ったのですが、異常なしといわれました。


しびれの範囲はピンクで示した範囲です。



Aさんは看護師さんではありません。あくまでイメージ図です。



視診上は特に異常ありません。

いわゆる、Numb Chin Syndromeですね。この方は適切な全身検索ののち、歯科的な異常が見つかりそちらで診ていただくことになりました。

このNumb(にぶい) Chin(顎) Syndrome(症候群)

わたしは内科認定医試験の問題集を解いていて、はじめてその存在を知りました^^;。



何年かに一度、忘れたころに患者さんにお会いします。



想定すべき疾患は、

歯科疾患(骨髄炎、齲歯、腫瘍、外傷)
全身性(アミロイドーシス、糖尿病、血管炎、サルコイドーシス)

あと有名なのが癌の転移です。リンパ腫、乳癌が試験によく出ていました。

脳由来であれば、視床性手口感覚症候群  thalamic cheiro-oral syndrome も鑑別診断になります。


私の経験からは、高齢のかたは歯科疾患が多いような印象があります。

私がNumb Chin Syndromeと診断し、ガンが見つかったひとはまだおられません。


知っていれば説明と診断を適切に進められ、患者さんもより安心できるのではないでしょうか。


切れ味するどい、でも指は切れないペーパーナイフ初体験


こんにちは。


カルテまで電子化された昨今でも、紹介状のやり取りや、振り込み・領収の用紙など、まだまだ封書をあけることも日常的にあるものです。


なかには、指で開けようにも意外ときつく糊付けしてあったり、中の書類を傷つけそうになったりしたこともありましたが、まあそんなもんかと思っていました。

さて
先日、上司の先生がペーパーナイフを使用されていたのを見て、うらやましくなり購入しました。


シンプルでとても、良いです。さくっと小気味良い音と共にきれいに封をあけることができます。


切れる感覚がたのしくて、要らない紙まで切り刻んでしまいました。

使ってみないとわからない、心地よさと便利さってとこでしょうか。
もちろん指は切れませんし、安全です。

さりげなくデスクに置いてあると、「できる」って思われるかもしれません。

2013年6月28日金曜日

毎年恒例のインパクトファクターまつり

こんばんわ。


先日、最新版のインパクトファクターが発表されました。


学生の頃に、その仕組みをきいて、うまいことを考えるものだと感心しました。

いわゆる、学術雑誌の【視聴率】みたいなもので、毎年ランキングが発表されると、あちこちから一喜一憂する声が聞こえてきます。


世の中のトレンドに左右される面もあるようです。


研究成果やあたらしい発見に、当の本人は「これは大発見だ」と逆上(のぼ)せてしまい、視聴率の高い学術雑誌を選んで投稿するのですが、なかなかうまくいくことは少ないようです。
(みんなに見てもらいたいのは、だれでもそうですしね)


実際は、
インパクトファクターの高い雑誌から投稿していくうちに、掲載拒否(Reject)を繰り返され、結局、和製英文雑誌(日本人が英語で作った雑誌)に、日本人の誼(よしみ)で掲載されることも少なくありません。


ただ、和製英文雑誌も、登竜門として重要な役割をになっています。たとえ最初は、誼で受理されても、その経験を生かし、世界に発信する価値あるものを生み出していける力を付けていきたいものです。



私がはじめて論文を書こうと思い立ったとき、いろいろな本を買いあさりました。

その中で、まるで自分が論文を執筆するような、臨場感ある記載にひきこまれ、一気に読んでしまったのが、この本です。


医師のための英語論文執筆のすすめ―11の教訓・8つの極意

論文の構成一般について、羅列的に記載した本は他にもありましたが、著者の体験をベースに、たとえば

忙しい臨床業務の中でいかに論文を書く時間を作るかなどの一日の過ごし方や、編集者とのやり取り内容(攻防ともいえる?)の実際を披露するなど、他書にはない筆者の熱意や思いが感じられる本だと思いました。

書斎をどのように構築するのがよいかなど、ある意味かゆいところに手がとどく内容です。


臨床医の克服すべき課題といえる、「患者さんへの高度なケアの提供」と「自身の学術活動時間の確保」の両立になやんだとき、この本をよく読ませていただいています。

祝・開設

はじめまして。

地方病院に勤務する一内科医の日々臨床学術(すこし)を記録して行こうと思います。


臨床医となって10年

日々の臨床もおもしろいけど、せっかく医師になったのだから、あたらしい診断や治療の開発にもかかわっていけたらいいなと思っています。


よろしくお願いします。